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「お客様自身に気づいてもらう」ための核心的なテクニック

「お客様自身に気づいてもらう」ための核心的なテクニック

お客様の心の動きを理解する

お客様は、私たち売り手が「これを買いなさい!」と強く勧めても、なかなか動きません。それよりも、お客様自身が「あ、これ、私に必要だ」と気づいた時に、初めて本気で行動を起こします。

「いつから悩んでいましたか?」という質問の本当の力

「それについてはいつから考えて(悩んで)おられましたか?」
この質問の効果は、お客様自身が何もしてこなかったことを自覚させ、ハッとさせることです。

これは、とても強力な質問です。
例えるなら、この質問は「お客様の心の中にある『気になっているけど後回しにしていた引き出し』を、そっと開けて見せてあげる」ようなものです。

お客様の心の声:「ああ、そういえば、この悩み、ずっとこの引き出しに入れっぱなしだった…」 「もう半年も(あるいは1年も)解決しないままだったな…」

私たちは、お客様を「責める」のではありません。
ただ、お客様がご自身で「こんなに長い間、気になっていたんだ」と客観的に事実を認識するお手伝いをするだけです。

「ハッとさせる」というのは、まさにこの「あ、そうだった!」というご自身の内側からの「気づき」なのです。

「なんとかしなければ」という気持ちは、どう生まれるか

「それをなんとかしなければ」と真剣に考えるようになるのです。 「感じる・思う⇒考える⇒行動」で進んでいきます。

これは、お客様の心が「自分ごと」として動き出す瞬間です。

例えば、ずっと「ちょっと調子が悪いな…」と感じていた(感じる・思う)とします。
そこで、優しいお医者さんに「その症状、いつからですか?」と聞かれ、「そういえば、もう3ヶ月も続いています…」と自分で答えたとします。
その瞬間、「3ヶ月も放っておいたのか!これはマズイな」(考える)と真剣になり、「じゃあ、先生。どうすれば治りますか?」(行動)と、自然と解決策を求めたくなりますよね。

売り手(営業マン)が「早く治しなさい!」と言うのではなく、お客様が自分で「治したい!」と思うように導くのが、この質問のすごいところです。

お客様が「解決したい」と強く思った時、初めて私たちの提案(商品やサービス)は「売り込み」ではなく、「助け舟」として受け入れてもらえるのです。

一番大切な「伝え方」:お医者さんか、パートナーか

ここでの質問は、やさしくやわらかく言うことがポイントです。
営業マンがやさしく、温かく質問で手助けをしてあげることにより、そこに向かわせることができるのです。

この質問は、言い方一つで「お説教」にも「救いの手」にもなります。

・悪い例(詰問するお医者さん): 「えっ!? そんなに前からですか? なんで放っておいたんですか!」 (これではお客様は心を閉ざし、言い訳を始めてしまいます)

・良い例(一緒に考えるパートナー): 「そうでしたか…。そのこと、もう随分と前から気になさっていたんですね…」 (お客様の気持ちに寄り添い、純粋な関心として聞く)

私たちは「先生」としてお客様を診断するのではなく、お客様の隣に座って「一緒に悩みを整理するパートナー」になる必要があります。

お客様が安心して「そうなんだよ、実はね…」と、後回しにしていた引き出し(悩み)を開けて見せてくれるような、「安全な場所」を作ってあげる。
そのための「やさしく、やわらかく」という伝え方が、何よりも大切なのです。

まとめ

「人は、自分で気づいたことでしか動かない」という原則。

私たち中小企業の強みは、お客様一人ひとりに寄り添えることです。
商品を売る前に、まずはお客様の「気になっているけど後回しにしていたこと」に、優しく光を当ててみてください。

お客様が自ら「解決したい!」と思った時、あなたの会社は「モノを売る業者」から、「悩みを一緒に解決してくれる、なくてはならないパートナー」に変わることができます。

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