利益も、チームも、整える。  浜松市の税理士 小林徹が、次の一手まで一緒に考えます。

「最後の一歩」を制する者が、売上を制する―問い合わせ・申し込みをスムーズにする工夫

「最後の一歩」を制する者が、売上を制する―問い合わせ・申し込みをスムーズにする工夫

申し込みページの工夫で売上げを変える

はじめに

あなたのお店や会社のホームページ、チラシ、ダイレクトメール……。
せっかく手をかけて作ったのに、「なんだか反応が薄いな」と感じたことはないでしょうか。

実は、多くの場合、問題はキャッチコピーでも、商品の説明でも、価格でもありません。
お客様が「よし、問い合わせしてみよう」と思った瞬間に、その気持ちをうまく受け止められていないことが原因だったりします。

広告やチラシの世界には、「申し込みのところにいちばん力を入れなさい」という教えがあります。
どんなに魅力的な言葉を並べても、最後の最後でお客様がつまずいてしまったら、売上にはつながらない—そういう意味です。

今回は、この「最後の一歩」をスムーズにする工夫について、背景から実践例まで丁寧にお伝えします。

なぜ「最後の一歩」が大切なのか

人が何かを買ったり、問い合わせをしたりするとき、その行動は「階段を上るような流れ」で起きます。

まず「なんか気になるな」という興味が生まれ、「自分に必要かも」という関心に変わり、「試してみようか」という意欲が高まる。
そして最後に「じゃあ、問い合わせしてみよう」という行動に移る、という流れです。

多くの経営者は、階段の「最初のほう」—つまり、目を引くキャッチコピーや魅力的な商品説明—には力を入れます。
しかし、階段の「最後の一段」、つまり「どうやって連絡すればいいか」「次に何をすればいいか」という部分は、意外にあっさりしてしまっていることが多いのです。

「お問い合わせはこちら」の一言だけ書いて終わり、というパターンがその典型です。

これは、もったいない話です。
せっかく興味を持ってくれたお客様が、最後の一段でつまずいて戻ってしまうようなものです。

背景:人は「迷うと、やめる」

心理学的に見ると、人は選択肢が多すぎたり、次に何をすればいいかがわからなかったりすると、行動をやめてしまう傾向があります。
これは「決断疲れ」とも呼ばれる現象です。

たとえば、スーパーで試食をしてとても美味しかったのに、「どこに売っているのかわからない」という経験をしたことはありませんか?
あのもどかしさが、まさにそれです。
美味しいと思っているのに、買うまでの道のりが見えなくなった途端、気持ちが冷めてしまう。

広告や営業資料も同じです。
お客様が「いいな」と思ってくれた気持ちは、時間が経つほど薄れていきます。
「どうすればいいかわからない」と思った瞬間に、そのまま離れてしまう可能性があります。

だからこそ、「次に何をすればいいか」を明確に、しかも自然な流れで示すことが大切なのです。

事例:ネイルサロンのホームページ改善

あるネイルサロンのオーナーが、新規客獲得のためにホームページを作りました。
施術メニューの写真も豊富で、料金説明もわかりやすく、デザインも清潔感があり、完成度の高いページでした。

しかし、問い合わせがなかなか来ない。

オーナーが悩んでホームページを見直してみると、あることに気がつきました。
ページの最後が、「ご予約・お問い合わせはこちら」という一行だけで終わっていたのです。

「こちら」というリンクをクリックすると、そこには入力欄がずらりと並ぶお問い合わせフォームが出てきました。
氏名、ふりがな、電話番号、メールアドレス、希望日時(第三希望まで)、ご要望……。

初めてのお客様にとって、これは少し重たい印象でした。
「ちょっと聞いてみたいだけなのに、こんなにたくさん書かないといけないの?」と感じてしまうのです。

そこでオーナーは、ページの最後の部分をこんなふうに変えました。

「最後までお読みいただき、ありがとうございます。初めての方も、どうぞお気軽にご連絡ください。『料金を聞いてみたいだけ』でも大歓迎です。下のボタンからLINEで気軽にメッセージをくださいね。」

そして、LINEの友だち追加ボタンを大きく設置しました。
フォームも残しつつ、「まずは気軽に話しかけてみて」というトーンを前面に出したのです。

結果、問い合わせ数は以前の3倍近くに増えました。
サービスは何も変えていません。
ページの「最後の一段」を変えただけです。

実践:「最後の一歩」を設計するポイント

では、具体的にどんな工夫ができるでしょうか。いくつかのポイントをお伝えします。

お客様が次にすべきことを、ひとつに絞る

「電話でもメールでもフォームでも」と選択肢を並べすぎると、逆に迷わせてしまうことがあります。
メインの連絡手段をひとつ決めて、そこに誘導するほうがスムーズです。

「気軽さ」を言葉で伝える

「お問い合わせください」だけでなく、「まずはご相談だけでも大丈夫です」「費用のご説明から始めます」など、一歩踏み出すハードルを下げる言葉を添えましょう。

読んでくれたことへの感謝を一言入れる

「最後までお読みいただきありがとうございます」という一文は、単なる礼儀以上の意味があります。
読者との距離が少し縮まり、「この人に連絡してみようか」という気持ちを後押しします。
具体的な行動を示す
「ご相談ください」よりも、「下のボタンを押して、お名前とご用件だけ送ってください」のほうが、行動のイメージがつきやすくなります。
「何をすれば次に進めるか」を丁寧に教えてあげる感覚が大切です。

特典や付加情報を添える

「お問い合わせいただいた方に、〇〇資料をプレゼントします」のような一文があると、問い合わせすること自体にメリットが生まれます。
「無料相談を承っています」「まずは見積もりだけでもどうぞ」も同様です。

まとめ

広告やホームページ、チラシのどれをとっても、最終的な目的は「お客様に行動してもらうこと」です。
どんなに中身が良くても、最後の一歩で迷わせてしまったら、せっかくの努力が報われません。

「申し込み部分にいちばん力を入れなさい」という言葉は、まさにそのことを指しています。

・読んでくれた方への感謝を伝える
・次にすべきことを、わかりやすく一つに絞る
・「気軽に連絡できる」という安心感を言葉で示す

この三つを意識するだけで、問い合わせや申し込みの反応は変わってきます。

あなたの会社やお店の「最後の一歩」は、今どうなっていますか?
ぜひ一度、お客様の目線で見直してみてください。
小さな一文の工夫が、売上の大きな違いにつながることがあります。

まずは現状の広告・チラシ・ホームページの「最後の部分」を見直すことから始めてみましょう。

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

関連記事 Relation Entry