
「なぜ、これは良いのだろう?」「どうして、これは魅力的なんだろう?」
このように、物事の裏側にある「理由」を自分の頭で考えるクセがなければ、あなたはいつまでも商品やサービスを「つくる側」にはなれません。
生涯、「お客さん」のままで終わってしまうでしょう。
たとえば、いつも行列ができている人気のラーメン屋さんがあるとします。
ほとんどのお客さんは、ラーメンを食べて「なんだか分からないけど、とにかく美味しい!」「また来たいね!」と感じ、満足して帰っていきます。
これが「お客さん(受け手)」の視点です。
しかし、そのお店の店主は、「なんだか美味しいぞ」なんてフワフワした感覚でラーメンを作っているわけではありませんよね。
「スープの深いコクを出すために、鶏ガラと魚介のWスープをこの比率で合わせよう」「この特注の細麺なら、うちのスープが一番よく絡むはずだ」というように、一杯のラーメンに隠された、緻密な計算と工夫を重ねているはずです。
もし、あなたがこれから「自分のラーメン屋さん(=あなたのビジネス)を成功させたい」と本気で思うなら、この店主と同じように「考える」しか道はありません。
行列店のラーメンを食べたとき、ただ「美味しい」で終わらせず、その秘密を探るのです。「なぜ、こんなに美味しいんだろう?」と、料理のレシピを解読するように分析する。
「このスープの香りの正体は、もしかしたら香味油かもしれない」「このチャーシューが驚くほど柔らかいのは、調理法に何か秘密があるからだろう」といった具合に、美味しさの設計図を読み解こうとすることが大切です。
お客さんとしてただ楽しむ「受け手」と、人々を魅了する「つくり手」。
その違いは、物事の裏側にある仕組みや意図を、自分なりに考え抜くかどうか、ただそれだけなのです。