人間の欲求を満たす売上UP戦略
はじめに:売れる商品には「理由」がある
「同じような商品なのに、なぜあちらの店ばかりお客さんが集まるのだろう?」
経営をしていると、こんな疑問を感じることはありませんか?
実は、売れる商品やサービスには共通する「法則」があります。
それは、お客さんの心の奥底にある「欲求」を満たしているということです。
人は何かを買うとき、必ず何らかの欲求を満たそうとしています。
逆に言えば、その欲求に応えられれば、自然とお客さんは集まってくるのです。
今日は、この「欲求」の仕組みを理解することで、あなたのビジネスの売上アップにつなげる方法をお伝えします。
難しい理論ではなく、明日からすぐに使える考え方ですので、ぜひ最後までお読みください。
人がお金を払う本当の理由
私たちは毎日、さまざまなものを「買って」います。
朝のコーヒー、ランチ、仕事で使う文房具、週末の外食…。
では、なぜ人はお金を払ってまで、これらのものを手に入れようとするのでしょうか?
答えはシンプルです。人は「欲求」を満たすためにお金を払っているのです。
お腹が空いたから食事をする、喉が渇いたから飲み物を買う。これは分かりやすい例ですね。
でも、人の欲求はそれだけではありません。
「誰かと一緒に楽しい時間を過ごしたい」「周りから認められたい」「自分の好きなことに没頭したい」…
こういった心の動きも、すべて「欲求」なのです。
つまり、「売る」ためには、お客さんの「欲求」を満たしてあげればよいということになります。
これが商売の基本中の基本です。
人の心を動かす「3つの欲求」とは
人の欲求は、大きく3つに分けることができます。
それぞれ見ていきましょう。
1. 生存欲求:生きていくために必要なもの
これは「生きるため」「健康でいるため」の基本的な欲求です。
・お腹が空いたから何か食べたい
・暑いから涼しい場所で休みたい
・疲れたから眠りたい
・病気やケガを治したい
食料品店やレストラン、病院やドラッグストアなどは、主にこの欲求に応えています。
生活に直結する欲求なので、多くの人に共通しています。
2. 社会欲求:人とつながりたい、認められたい
これは「他人との関係」に関わる欲求です。
・家族や友人と楽しい時間を過ごしたい
・職場で信頼されたい、評価されたい
・恥ずかしくない服装や持ち物でいたい
・大切な人を喜ばせたい
たとえば、ちょっと高級なレストランでの食事は、おいしさ(生存欲求)だけでなく、「大切な人をもてなしたい」「ここに連れてきても恥ずかしくない」という社会欲求も満たしています。
3. 自己欲求:自分らしくありたい、成長したい
これは「自分自身」に関わる欲求です。
・趣味を楽しみたい
・新しいことを学びたい
・自分の個性を表現したい
・達成感を味わいたい
資格取得のための講座や、趣味の道具、自分へのご褒美などは、この欲求を満たしています。
売れる商品の秘密:3つの欲求を「同時に」満たしている
ここからが重要なポイントです。
広く売れる人気商品は、これら3つの欲求を同時に満たしていることが多いのです。
なぜなら、人の欲求は別々に起こるのではなく、同時に起こりうるものだからです。
そして、できるだけ多くの欲求を同時に満たしてくれる商品やサービスほど、お客さんにとっての「価値」が高くなります。
具体例1:人気のレストラン
人気のレストランを思い浮かべてください。
・生存欲求を満たす:当然、料理がおいしい
・社会欲求を満たす:店の雰囲気が良く、大切な人を連れていっても恥ずかしくない。むしろ「あの店知ってるの?センスいいね!」と言われるかもしれない
・自己欲求を満たす:自分の好みに合った料理や空間で、心から満足できる
このように、ただ「お腹を満たす」だけでなく、人間関係を豊かにし、自分自身も満足できる。
だから多少高くても、人はそのレストランを選ぶのです。
具体例2:マニア向けの商品
一方、特定の人に深く支持される「マニア向け商品」もあります。
例えば、高級カメラや交換レンズなどを考えてみましょう。
・生存欲求:生活必需品ではないので、基本的に満たさない
・自己欲求:撮影技術を磨く楽しさ、理想の一枚を追求する達成感など、強く満たす
・社会欲求:自分で撮影を楽しむのであれば自己欲求だけだが、それを写真展に出したりSNSで発信して楽しむ場合には社会欲求を満たしうる
マニア向け商品は、主に自己欲求を刺激していますが、最近はSNSの普及で「他の人に見せて楽しむ」という社会欲求を満たす側面も強くなっています。
あなたのビジネスに活かす3つのステップ
では、この考え方を実際のビジネスにどう活かせばよいのでしょうか?
ステップ1:自分の商品・サービスがどの欲求を満たしているか整理する
まず、あなたが提供している商品やサービスが、3つの欲求のうちどれを満たしているか考えてみてください。
例えば、美容室なら:
・生存欲求:清潔さを保つ、髪を整える
・社会欲求:人前に出ても恥ずかしくない見た目になる
・自己欲求:自分らしいスタイルを表現する、リラックスできる時間
ステップ2:まだ満たせていない欲求はないか考える
次に、「もっと満たせる欲求はないか?」と考えてみます。
同じ美容室でも:
・待ち時間に楽しめる雑誌や飲み物を充実させる(自己欲求)
・お客さんの大切な日の前に特別なサービスを提供する(社会欲求)
・髪や頭皮の健康アドバイスをする(生存欲求)
このように、少しの工夫で満たせる欲求を増やすことができます。
ステップ3:お客さんに「どの欲求を満たせるか」を伝える
最後に、これらの価値をお客さんにしっかり伝えることが大切です。
チラシやホームページ、SNSなどで発信する際、「うちの商品・サービスは、あなたのこんな欲求を満たせますよ」と具体的に示すのです。
ただし、専門用語を使わず、お客さんが「それ、まさに私が求めていたもの!」と感じられる言葉で伝えましょう。
まとめ:お客さんの心に寄り添うことが売上アップの近道
売上を上げる特効薬のような方法はありません。
でも、確実な方法はあります。
それは、お客さんの欲求に真剣に向き合うことです。
人は欲求を満たすためにお金を払います。
だから、売るためには、その欲求を満たしてあげればよいのです。
そして、より多くの欲求を同時に満たせる商品やサービスほど、お客さんにとっての価値は高くなります。
大切なのは:
・お客さんが本当に求めているものは何か?(生存・社会・自己のどの欲求か?)
・自分の商品・サービスは、その欲求をどう満たせるのか?
・まだ満たせていない欲求はないか?
この3つを常に考え続けることです。
難しく考える必要はありません。
あなた自身も、何かを買うときは必ず何らかの欲求を満たそうとしているはずです。
お客さんの立場に立って、「自分だったらどう感じるだろう?」と考えてみてください。
小さな気づきの積み重ねが、やがて大きな売上の違いを生み出します。
明日から、ぜひお客さんの「欲求」に目を向けてみてください。
きっと、新しい発見があるはずです。


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