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モノが売れない時代の新しい武器。「完成までの道のり」を売る方法

モノが売れない時代の新しい武器。「完成までの道のり」を売る方法

完成までの道のりの共有でファンを増やす

今の時代、インターネット、特にSNSが生活の隅々まで広がり、情報が溢れかえっています。
まるで、巨大なショッピングモールで、何千ものお店が「新商品が出ました!」「うちのが一番です!」と、ひっきりなしに声を張り上げているような状態です。

これまでは、一部の有名人や影響力のある人が目立っていましたが、今では誰もが自分の仕事や商品をアピールできます。
そんな中で、ただ「こんなに良い商品ができました!」と完成品だけを見せても、残念ながらたくさんの声の中に埋もれてしまいます。

「完成品」だけでなく「完成までの道のり」を見せる

では、どうすればその他大勢に埋もれずに、お客様に振り向いてもらえるのでしょうか。

答えは、商品の「完成までの道のり」を共有することです。
たとえ最初は少数でも、「この人を応援したい!」と思ってくれる熱いファンを作ることが、これからの時代を生き抜くための大きな武器になります。

例えば、レストランに行ったとします。ただ「はい、どうぞ」と完成した料理を出されるのと、「この野菜は、○○さんが朝採ったもので、ソースにはこんな隠し味と思いを込めているんです」と、シェフが料理の裏側にある物語を語ってくれるのとでは、どちらが心に残るでしょうか?きっと後者ですよね。

このように、作り手の「なぜこれを作っているのか?」という想いや、試行錯誤の物語を伝えることで、「完成までの道のり」そのものに価値が生まれるのです。

お客様を「応援団」に変える

しかし、作り手一人が発信し続けるのには限界があります。
そこで大切なのが、お客様を単なる「買い手」から、一緒に商品を育ててくれる「応援団」へと巻き込んでいくことです。

まるでお祭りの準備を想像してみてください。
主催者だけが頑張るのではなく、地域の人たちも一緒になってお神輿を作ったり、飾り付けを手伝ったりすると、お祭り全体が活気づき、一体感が生まれますよね。
それと同じです。お客様からの感想やアイデアを取り入れたり、SNSで応援の声を広めてもらったりすることで、熱気がどんどん高まっていきます。

応援の輪が、真似できない価値になる

この「応援団」がコミュニティになると、素晴らしい循環が生まれます。

まず、ファンの方々がそれぞれの言葉で商品の魅力を語り始めます。
すると、その熱意が新しい人を惹きつけ、さらに応援の輪が広がります。

これは、小さな焚き火が、みんなが薪をくべてくれることで大きなキャンプファイヤーになるようなものです。
その炎の周りには自然と人が集まり、暖かさと光はさらに遠くまで届くようになります。
この熱気や物語は、他の会社がお金をかけても、すぐに真似できるものではありません。
こうして、他とは比べようのない「差」が生まれていくのです。

なぜ、この考え方が重要なのか

この「完成までの道のりを価値に変える」という考え方は、特に新しいことを始めようとする起業家やクリエイターにとって、必須とも言えるスキルです。

なぜなら、どれだけ素晴らしいアイデアがあっても、完成品がお金に変わる前に、たった一人で頑張り続けて力尽きてしまう人があまりにも多いからです。

これは、ゴールだけを目指して、誰の応援もない孤独なマラソンを走るようなものです。しかし、もし沿道でたくさんの人が「頑張れ!」と声をかけ、飲み物を手渡してくれたらどうでしょう?
きっと、最後まで走り抜く力が湧いてくるはずです。

ファンという応援団は、あなたをゴールまで導いてくれるだけでなく、その応援の声自体が、また新たな応援団を呼び寄せてくれるのです。
これこそが、小さな会社がこの情報過多の時代を勝ち抜くための、最も確実で、力強い方法なのです。

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