利益も、チームも、整える。  浜松市の税理士 小林徹が、次の一手まで一緒に考えます。

意外な「掛け算」で驚きを生む─まったく違うジャンルを組み合わせて、お客さまを引き寄せる方法

意外な「掛け算」で驚きを生む─まったく違うジャンルを組み合わせて、お客さまを引き寄せる方法

予想外の組み合わせでお客さんを惹きつける

はじめに─なぜ「いつもと違う組み合わせ」が人の心を動かすのか

私たちは日常の中で、ある程度「次に何が起きるか」を予測しながら生活しています。
いつものお店、いつものメニュー、いつもの仕事仲間。
そうした予測が当たり続ける毎日はラクですが、逆に言えば心が動く瞬間はなかなか生まれません。

ところが、まったく予想していなかった組み合わせに出会うと、人は思わず「お、これは何だ?」と足を止めます。
たとえば、シリアスな演技で知られる実力派俳優がバラエティ番組に初めて出演したとき、普段はその番組を観ない人までチャンネルを合わせてしまう—そんな経験はないでしょうか。

これと同じ仕組みを、お客さまを集める場面に応用するのが「掛け算」の発想です。
自分の事業の専門分野と、まったく別のジャンルを掛け合わせることで、これまで届かなかった人たちに「ちょっと気になる」と思ってもらえるようになります。今回は、この「意外な掛け算」を集客に活かす考え方と、実際に取り入れるためのヒントをお伝えします。

「掛け算」とは何か─料理に例えると分かりやすい

「掛け算」と聞くと算数を思い浮かべるかもしれませんが、ここで言う掛け算は「異なるジャンル同士の組み合わせ」のことです。

たとえば料理で考えてみてください。和食の定番である「味噌」と、洋食の定番である「チーズ」。
それぞれ単独でも十分おいしいですが、この二つを組み合わせた「味噌チーズ焼き」は、どちらか一方だけでは生まれない新しいおいしさを持っています。
しかもお客さまにとっては、「味噌とチーズ? どんな味だろう」という好奇心が生まれます。

集客における掛け算も、これとまったく同じです。
自分の事業の「持ち味」に、一見関係なさそうな別のジャンルを組み合わせることで、お客さまの好奇心を刺激し、「ちょっと覗いてみようかな」という気持ちを引き出すのです。

背景─なぜ今、集客に「掛け算」が効くのか

今の時代、似たようなサービスや商品があふれています。
たとえば税理士事務所はどこも「確定申告をお手伝いします」「節税のご相談に乗ります」と発信しています。
飲食店であれば「おいしい料理を提供します」、美容室なら「あなたに似合うスタイルを提案します」と、どうしてもメッセージが似通ってしまいます。

こうした中で「この人の話を聞いてみたい」「このお店に行ってみたい」と思ってもらうには、ちょっとした「引っかかり」が必要です。

チラシやSNSを見ているとき、人が手を止めるのは「知っている情報」ではなく「意外な情報」に出会ったときです。
「税理士がボードゲームイベント?」「工務店がキャンプ体験会?」—こうした意外性が、「何だろう?」という好奇心を生み、それがお店やサービスへの入口になります。

つまり掛け算は、まだ自分のことを知らない人たちに振り向いてもらうための「きっかけづくり」なのです。
従来のやり方では届かなかった層のお客さまに、自然な形で出会える。これが掛け算の最大の強みです。

事例─まったく違う分野の掛け算が集客につながったケース

ここで、異業種の掛け算が集客に成功した事例をご紹介します。

事例①:書店×銭湯

ある地方の小さな書店が、「本屋×銭湯」というイベントを企画しました。
地元の銭湯と協力して、休憩スペースに本棚を設置し、お風呂上がりに読書を楽しめるようにしたのです。

「本を読む場所」と「お風呂に入る場所」は、普通に考えればまったく別のものです。
しかし実際にやってみると、「お風呂でリラックスした後に、のんびり本を読む」という体験が非常に好評でした。
ふだん本屋に足を運ばない銭湯の常連さんが本に興味を持ち、逆にふだん銭湯に来ない読書好きの人が銭湯の良さを知る。
お互いのお客さまが行き来する形になり、それぞれが新しいお客さまと出会うことができたのです。

事例②:税理士×ボードゲーム

ある税理士の先生が、経営の数字に苦手意識を持つ経営者向けに、お金の流れをゲーム感覚で学べるボードゲーム体験会を開催しました。
「税務セミナー」と聞くと身構えてしまう方も、「ゲームをしながらお金の流れが分かる」と聞くとハードルがぐっと下がります。

結果として、ふだんセミナーには来ない層の経営者が多数参加しました。
ゲームを通じて自然と会話が生まれ、「実はうちの帳簿のことで相談したいんだけど」という流れになり、そこから顧問契約につながるケースも生まれたそうです。
「勉強会」では来なかった人が、「ゲーム会」というきっかけで足を運んでくれた好例です。

どちらの事例にも共通しているのは、「本業とは違うジャンルの力を借りることで、今まで出会えなかったお客さまとの接点が生まれた」という点です。

掛け算を集客に活かすためのポイント

では、実際に掛け算を考えるとき、どんなことに気をつければよいのでしょうか。
三つのポイントをお伝えします。

一つ目は、「お客さまの悩みや楽しみ」を起点にすること。

掛け算は、自分が好きなもの同士をくっつけるだけでは集客にはつながりません。
大切なのは、「来てほしいお客さまが、ふだんどんなことに興味を持っているか」を考えることです。
たとえば、忙しい経営者がリフレッシュしたいと思っているなら、「経営相談×アウトドア体験」のような組み合わせが響くかもしれません。
お客さまの日常の延長線上にある楽しみと、自分のサービスを結びつけるのがコツです。

二つ目は、「相手のお客さま」を意識すること。

掛け算の大きなメリットは、自分だけでは届かなかった層のお客さまに出会えることです。
ですから、組み合わせる相手を選ぶときは、「自分のお客さまとは違う層を持っている相手」を選ぶと効果的です。
お互いのお客さまを紹介し合うような形になれば、双方にとって新しい集客の入口が生まれます。

三つ目は、「小さく試して、反応を見る」こと。

いきなり大規模なイベントを企画すると、準備の負担も大きく、うまくいかなかったときのダメージも大きくなります。
まずは5〜10人程度の小さな会で試してみて、手応えがあれば少しずつ広げていく。
この「小さく始めて育てる」という姿勢が、掛け算を使った集客を成功させるコツです。

まとめ─「意外性」がお客さまとの新しい出会いをつくる

情報があふれる今の時代、真正面からの発信だけではなかなかお客さまの目に留まりません。
しかし、自分の事業にまったく違うジャンルを掛け合わせることで、「お、これは何だろう?」という好奇心のスイッチを入れることができます。

その好奇心こそが、まだあなたのサービスを知らない人との「最初の接点」になります。

大切なのは、難しく考えすぎないことです。
自分の仕事と、自分が好きなこと・趣味・地域のつながりなどを組み合わせるだけでも、思いがけない掛け算が生まれることがあります。

まずは身近なところで、「うちの仕事と、あのジャンルを組み合わせたらお客さまが来てくれるかも」と想像してみてください。
その小さな一歩が、新しいお客さまとの出会いにつながるはずです。

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

コメント Comments

コメント一覧

コメントはありません。

コメントする

トラックバックURL

https://wakaruto.jp/%e6%84%8f%e5%a4%96%e3%81%aa%e3%80%8c%e6%8e%9b%e3%81%91%e7%ae%97%e3%80%8d%e3%81%a7%e9%a9%9a%e3%81%8d%e3%82%92%e7%94%9f%e3%82%80%e2%94%80%e3%81%be%e3%81%a3%e3%81%9f%e3%81%8f%e9%81%95%e3%81%86%e3%82%b8/trackback/

関連記事 Relation Entry