行動で変わる意識とチーム作り

研修などでよく「意識を変えよう」という言葉を耳にしますが、人の心(意識)を直接変えるのは、実はとても難しいことです。
まるで、長年のクセを今日からピタッとやめるのが難しいのと同じです。

しかし、一つだけ比較的簡単に変えられるものがあります。それが「行動」です。

例えば、「みんなに感謝の気持ちを持とう」という目標を立てるだけでは、なかなか職場の雰囲気は変わりません。
これは、漠然と「野球がうまくなりたい」と言っているようなものです。

そうではなく、「一日一回、誰かの仕事を手伝って『助かるよ、ありがとう』と声をかけてみよう」というように、具体的な行動のルールを決める方がずっと効果的です。
これなら、何をすればいいかハッキリしていて、誰でも今日から始められますよね。

これは、部下や後輩に仕事を教えるときも全く同じです。
「もっと丁寧に仕事をして」と伝えるだけでは、相手は何をどうすれば良いのか分かりません。
まるで、料理のレシピで「いい感じに味付けしてください」と言われているようなものです。

そうではなく、「電話を切るときは、受話器をガチャンと置かずに、そっと静かに置いてみてね」というように、一つひとつの動作が目に浮かぶくらい具体的に伝えることが大切です。

心(意識)は、具体的な行動を続けるうちに、後から自然とついてくるものです。
まずは、誰にでもできる小さな「行動」のルールを一つ決めて、それをみんなで続けてみること。
それが、良いチーム作りの一番の近道なのです。