【ご注意】「とりあえず値引き」が、あなたのお店をダメにする理由

値引きの罠:お店をダメにする理由

お店の「値引き」。ついつい、お客様の気を引くために使ってしまいたくなりますよね。
でも、その値引き、使い方を間違えると、かえってお客さんを遠ざけてしまう「劇薬」にもなりかねないのです。

「たまに」だから効く魔法。乱用すると効果がなくなる

考えてみてください。
年に一度だけ、憧れのブランドが開催する特別なバーゲンセールと、「365日、毎日がセール!」と謳っているお店。どちらにワクワクするでしょうか?

多くの方は、年に一度の特別なセールに心を躍らせるはずです。

値引きもこれとまったく同じです。
いつもは定価で売っているお店が、「今回だけ」「期間限定で」行うからこそ、「今行かなきゃ損!」「これは見逃せない!」と、お客様の心が動くのです。
いわば、お店からの「特別なプレゼント」だから、嬉しいのですね。

「またやってる」と思われたら、おしまいの始まり

しかし、この「特別なプレゼント」を頻繁に配り始めたら、どうなるでしょう。

最初は喜んでいたお客様も、3ヶ月後には「あ、またやってる」と感じ始めます。
そして、半年も経てば、「あのお店、いつも値引きしているよね」というイメージがすっかり定着してしまいます。

こうなると、お客様の心の中では、値引きが「特別なプレゼント」から「当たり前のこと」に変わってしまいます。
すると、「わざわざ今、定価で買う必要はないかな」「どうせまたすぐに安くなるだろう」と考え、値引きをしていない期間は、お店に行く理由そのものがなくなってしまうのです。

お客様が「値引きハンター」に変わってしまう

さらに恐ろしいのは、お客様の心理がもう一段階進んでしまうことです。

「あのお店の定価で買うのは、なんだか損した気分だよね。賢い私は、値引きの案内が来るまで待とう。」
「それまでは、前から気になっていた別のお店を試してみようかな。」

このように、お客様は「あなたのお店のファン」ではなく、「あなたのお店の“値引き”のファン」、つまり「値引きハンター」に変わってしまうのです。

売上が減っていく、最悪のシナリオ

その結果、何が起きるでしょうか。
最悪のシナリオが待っています。

  • これまでのお客様が来なくなる:今までは月に1回、定価で来てくれていた大切なお客様が、値引き案内の出る3ヶ月に1回しか来なくなってしまいます(来店頻度の低下)。
  • 利益がどんどん減っていく:しかも、そのお客様が来るのは、わざわざ利益を削っている値引き期間だけ。儲けはどんどん少なくなります(客単価の低下)。

つまり、良かれと思って始めた値引きが、「お客様の数を減らし、さらに利益まで削ってしまう」という、まさに悪循環を生み出してしまうのです。

【まとめ】値引きは「劇薬」。頼る前に、お店の価値を見直そう

値引きは、決して「悪」ではありません。
しかし、それはあくまでも最後の手段、つまり「劇薬」です。安易に頼り始めると、お店の体力をどんどん奪っていきます。

大切なのは、値引きに頼らなくてもお客様が「行きたい!」と思ってくれるような、あなたのお店だけの「価値」を磨き、伝えていくことです。
その価値があれば、お客様は定価であっても喜んでお金を払ってくださるはずですよ。