
売上伸び悩み、顧客心理を探る
「うちの商品は良いものなのに、なぜか売上が伸び悩んでいる…」
こんな風に、理由がはっきりわからない壁にぶつかっていませんか?
その答えは、商品そのものではなく、お客様の「心の中」に隠されているかもしれません。
お客様があなたの商品を「買わない、使わない」のには、どんな気持ちが隠れているのでしょうか?
そこにある「心のブレーキ」を探し出すことが、売上アップへの一番の近道です。
【例え話】 ある朝食シリアルの売上が伸び悩んだワケ
昔、ある朝食シリアル(コーンフレークなど)の会社が、売上不振に悩んでいました。
会社の人は当初、「味がイマイチなのかな?」「すぐにお腹が空くからかな?」と考え、商品の改良を重ねました。しかし、それでも売上は一向に伸びません。
そこで、購入者であるお母さんたちの気持ちをじっくり調査してみることに。
すると、全く予想していなかった「本当の理由」が見つかりました。
それは、お母さんたちの心の中にあった、
「朝食にシリアルを出すのは、手抜きをしている悪いお母さんだと思われそう…」
という罪悪感だったのです。
このシリアルの「手軽さ」という一番の長所が、お母さんたちにとっては逆に「愛情をかけていない」と感じさせる心のブレーキになっていたのですね。
「心のブレーキ」がわかれば、打ち手が見えてくる
原因さえわかれば、解決策を考えるのは難しくありません。
この会社は、「シリアル=手抜き」というイメージをひっくり返すために、次のような手を打ちました。
- 新しい価値を伝える
「お母さんが朝から笑顔でいられることこそ、家族の元気の源!」というメッセージで、「手軽さ」を「心の余裕」というプラスの価値に変換しました。 - 罪悪感をなくす工夫
フルーツを乗せたり、牛乳以外のものをかけたりする「ひと手間レシピ」を提案。「これなら手抜きじゃない」と思える工夫です。 - 商品の強みを再アピール
「実はこんなに栄養バランスが優れているんです!」と伝えることで、「手軽なのに、子どもの体をしっかり考えた愛情ごはん」というイメージをつくりました。
もう一つのヒント:ライバルのお店をのぞいてみよう
お客様の心の中を探るのと同じくらい大切なのが、ライバルがどう見られているかを知ることです。
「あのお店は『安さ』が売りだから、うちは『品質と丁寧な接客』で勝負しよう!」
「あの商品は若者に人気だから、うちは『家族で使える安心感』をアピールしよう!」
このように、ライバルと自分たちとの違いを知ることで、進むべき道がはっきりと見えてきます。
まとめ
売上が伸び悩んだら、まずはお客様の心に寄り添い、「なぜ買わないんだろう?」という本当の理由(心のブレーキ)を探ってみましょう。
そのブレーキを外すお手伝いをすることが、売上向上への大きな一歩となるはずです。