
魔法の質問でお客様の心をつかむ
お店に立ったとき、お客様に良さを伝えようと、つい一生懸命に商品の説明から始めていませんか?
実はそれ、お客様が心のシャッターを下ろしてしまう原因かもしれません。
今回は、お客様が思わず「この人から買いたい!」と思ってしまう、シンプルで強力な質問をご紹介します。
売り子から「相談相手」に変わる、魔法の質問
それは、「今日は、どのようなことをお知りになりたいですか?」と、まずはお客様に尋ねてみることです。
もし、お客様が少し緊張しているようでしたら、「何か気になることはありますか?」「どんなことでお探しですか?」といった、やわらかい言葉でも構いません。
このたった一言が、あなたをお客様にとっての「売り子」から、「頼れる相談相手(アドバイザー)」へと変身させてくれるのです。
なぜ、この質問がお客様の心を開くのか?
この質問が効果的なのには、3つの理由があります。
1.お客様が会話の「主役」になれるから
想像してみてください。
病院へ行って、医者がいきなり「この薬がおすすめです!」と話し始めたらどう思いますか?「まずは私の話をちゃんと聞いてよ!」と感じますよね。
販売もこれと同じです。
お客様は、ご自身が困っていることや、望んでいることをまず聞いてほしいのです。
この質問は、会話の主導権をお客様に渡す「どうぞ、あなたの話を聞かせてください」というサインです。
お客様は「自分のことを分かろうとしてくれている」と感じ、安心して心を開いてくれます。
2.お客様自身が「本当に欲しいもの」に気づけるから
「何を知りたいですか?」と尋ねられて、自分の言葉で話しているうちに、お客様は「そうか、私はこんなことで悩んでいたんだ」「これが欲しかったんだ!」と、ご自身の気持ちや考えが整理されていきます。
人から「これが良いですよ」と勧められるよりも、自分で「これだ!」と気づいたものの方が、ずっと納得して、満足のいく買い物になります。
結果として、お客様の「買いたい」という気持ちが自然と高まっていくのです。
3.ムダのない、的確な提案ができるから
こちらが「これがおすすめです!」と考える商品と、お客様が本当に知りたいと思っていることは、意外と違うものです。
この質問をすることで、お客様が何に関心を持ち、どんな情報を求めているのかが、手に取るように分かります。
まるで、宝の地図を手に入れたようなものです。
お客様の知りたいことに的を絞って的確に答えることで、会話はスムーズに進み、「この人は私のことをよく分かってくれる!」という強い信頼関係が生まれます。
まとめ:質問ひとつで、お客様との関係が変わる
「今日は、どのようなことをお知りになりたいですか?」
この質問は、単に話のきっかけを作るだけではありません。
- お客様を大切にしている姿勢が伝わる
- お客様自身が、自分の欲しいものを再確認できる
- あなたへの信頼感が生まれ、「相談したい」相手になれる
お客様との会話を「商品説明」から「お悩み相談」に変えるだけで、お客様はあなたのお店や商品のファンになってくれます。
ぜひ、明日からこの「魔法の質問」を試してみてください。きっと、お客様の反応が変わるはずです。