売上を「2倍」にするのは、実は難しくない!魔法の”かけ算”思考

売上2倍は「かけ算」で簡単

売上を「2倍」にするのは、実は難しくない!魔法の”かけ算”思考
「お店の売上を2倍にしたい!」
そう聞くと、多くの方が「お客様の数を今の2倍にしないと…」と、途方もなく高い壁を感じてしまうかもしれません。でも、ご安心ください。
そんなに大変なことをしなくても、売上を2倍にする魔法のような方法があるんです。

お店の売上は「3つの数字」のかけ算でできている

まず、お店の売上は、次の3つの要素の「かけ算」で成り立っていると考えてみてください。
料理のレシピに似ていますね。

  1. お客様の数(=材料の量)
  2. お客様が来てくれる頻度(=料理を作る回数)
  3. 1回に使う金額(客単価)(=味付けの濃さ)

売上を2倍にするために、この3つ「すべて」を2倍にする必要はありません。
かけ算の面白いところは、それぞれの要素を「ほんの少し」ずつ増やすだけで、結果が大きく変わるところにあります。

具体的には、それぞれを約1.25倍、つまり「25%アップ」を目指すだけいいのです。

計算してみましょう。
1.25倍 × 1.25倍 × 1.25倍 = 1.95倍

ほら、これだけで売上は「ほぼ2倍」になるんです!
「全部を頑張る」のではなく、「それぞれを、ちょっとずつ頑張る」。
これが売上アップの秘訣です。

具体的なお店で考えてみましょう

例えば、こんなお店があったとします。

  • お客様の数:100人
  • 来店頻度:年に平均10回
  • 客単価:平均10,000円

このお店の年間売上は「100人 × 10回 × 10,000円 = 1,000万円」ですね。

多くの経営者様は、売上を2倍の2,000万円にしようとするとき、「お客様を100人から200人に増やそう!」と考えてしまいがちです。
でも、今いるお客様と同じ数だけ、新しいお客様を見つけてくるのは、想像しただけで大変ですよね。
だから、つい簡単な「値引き」に走りたくなってしまうのです。

でも、かけ算で考えてみましょう。

  • お客様を「100人 → 125人」にする

あと25人、新しいお客様を増やす。これなら、ご紹介カードを作ったり、SNSの発信を少し工夫したり、実現できそうな気がしませんか?

  • 来店頻度を「年10回 → 年12.5回」にする(※約13回)

年10回のお客様に、倍の20回来てもらうのは至難の業です。

でも、「年にあと2〜3回、お店を思い出してもらう」ならどうでしょう?
「季節の限定メニューが出ましたよ」「もうすぐポイントが貯まりますよ」と、お手紙やLINEでそっとお知らせするだけで、お客様が足を運ぶきっかけになるかもしれません。

  • 客単価を「10,000円 → 12,500円」にする

いきなり20,000円にしては、お客様が驚いてしまいます。

でも、「いつものお料理に、ぴったりのドリンクをおすすめする」「会計の時に、レジ横の美味しそうなお菓子を『ご一緒にいかがですか?』と声をかける」。
そんな工夫で、あと2,500円を目指すのは、不可能ではないはずです。

最もやってはいけない「値引き」のワナ

「お客様を増やすために、3割引セールをしよう!」
これは、一見すると良い手に見えます。お客様が2倍に増えたら、お店は大忙し。

しかし、計算してみてください。
お客様2倍 × 頻度そのまま × 客単価0.7倍(3割引)= 売上は1.4倍

売上は2倍にならないのに、お店の忙しさだけが2倍になります。
スタッフはヘトヘト、材料費も人件費もかさむのに、利益はむしろ減ってしまう…。
これこそが、多くの店が陥ってしまう「忙しい貧乏」の正体です。

「売上2倍」という大きな目標も、こうして3つに分解すれば、決して不可能なことではありません。
大きなホームランを狙うのではなく、小さなヒットを3回続けるイメージです。

まずはあなたのお店の「お客様の数」「来店頻度」「客単価」を、一度じっくりと眺めてみてください。
そして、「この中で、どれなら少しだけ伸ばせそうかな?」と考えてみることから始めてみませんか?