利益も、チームも、整える。  浜松市の税理士 小林徹が、次の一手まで一緒に考えます。

お客様が「自然に買いたくなる」仕組みをつくる―Webが集客に向いている本当の理由

お客様が「自然に買いたくなる」仕組みをつくる―Webが集客に向いている本当の理由

見込み客を育てるWebマーケティングの力

「なぜか売れない」には、理由がある

経営者の方とお話をしていると、こんな悩みをよく耳にします。

「チラシを配ってみたけど、問い合わせが来ない」
「ホームページはあるのに、なかなか成果につながらない」
「知り合いの紹介以外で、新しいお客様をどうやって増やせばいいのか」

こうした悩みを抱えながら、それでも日々の仕事を懸命にこなしている経営者の方は、本当にたくさんいらっしゃいます。

売れない理由は、商品やサービスの質が低いからではありません。
多くの場合、「お客様がまだ、その価値を理解していない」という状態にあるのです。

これは、少し立ち止まって考えてみると、とても大切なことだと思います。

「知る」だけでは、人は動かない

人が何かを購入するとき、その前には必ず「心の流れ」があります。

まずサービスや商品の存在を知る。
次に「自分に関係があるかもしれない」と感じる。
そして「本当に効果があるのかな」と確かめたくなる。最終的に「これを頼んでみよう」と決断する。

この流れを、ひとつのたとえで考えてみましょう。

あなたが見知らぬ町で、お腹が空いたとします。
通りに飲食店が並んでいても、どの店に入るかは悩むものです。
でも、店の前に「本日のおすすめ」の詳しい説明があり、シェフのこだわりが書かれていて、常連のお客様の声が貼ってあったとしたら、どうでしょう。
ぐっと入りやすくなりませんか。

これと同じことが、あらゆるビジネスで起きています。

お客様は、知っただけでは動きません。
「理解して、信頼して、初めて行動する」のです。
この「理解と信頼を育てるプロセス」のことを、マーケティングの世界では「教育」と呼ぶことがあります。
少し固い言葉ですが、要するに「お客様に、自分たちのことをちゃんと知ってもらう働きかけ」のことです。

紙のチラシが「なんとなく効かない」理由

以前は、地域の中小企業にとって、チラシや折り込み広告が主な集客手段でした。
今もまったく効果がないわけではありませんが、「教育プロセス」という観点から見ると、紙媒体にはどうしても限界があります。

それは、「スペースが限られている」という問題です。

チラシに載せられる情報には、物理的な制限があります。
どれだけ工夫しても、A4一枚やB5一枚に詰め込める文章量は限られています。
その中で、価格や連絡先、地図を入れると、サービスの詳しい説明や経営者の想い、お客様の声といった「信頼を育てる情報」を十分に伝えるのは、なかなか難しいのが実情です。

受け取る側も、手元に届いた瞬間に判断します。
「関係なさそう」と思われたら、それ以上読まれることはありません。
チラシはあくまで「存在を知らせる」には向いていますが、「深く理解してもらう」という役割には、もともと不向きな媒体なのです。

Webが「教育の場」として優れている理由

では、なぜWebが集客に向いているのか。
現代のマーケティングではWebが主流になっていますが、それは単に「時代の流れ」だけが理由ではありません。
もっと本質的な理由があります。

それは、「お客様に届けられる情報量が、圧倒的に多い」という点です。

ホームページやブログ、SNS、動画など、Webを使えば、文字数や紙面の制限なく、自社のことを深く丁寧に伝えることができます。
サービスの詳しい説明はもちろん、「なぜこの仕事を始めたのか」という創業の背景、「どんなお客様に喜ばれているか」という事例紹介、「よくある疑問と答え」といったコンテンツ(情報の中身)を、いくらでも掲載できます。

さらに大きな違いは、「相手が自分のペースで読める」という点です。

チラシは一瞬で捨てられることもありますが、Webのページは、興味を持った人が自分のタイミングで、何度でも読み返すことができます。
「気になって、また見に来た」「ブログを読んで、考えが変わった」という経験は、多くの方にあるのではないでしょうか。

この「自分のペースで理解を深められる仕組み」こそが、Webが教育プロセスとして機能する大きな理由です。

実際の変化を、ある事例から考える

あるリフォーム会社の話をしてみます。

この会社は、地域では長年の実績がある、誠実な職人気質の会社でした。
しかし、紹介以外からの新規のお客様がなかなか増えず、社長は頭を悩ませていました。
「良い仕事をしているのに、なぜ伝わらないのか」という思いを、ずっと抱えていたそうです。

そこで試みたのが、ホームページへのコンテンツの充実です。
工事の事例を写真つきで詳しく紹介し、「なぜこの工法を選んだのか」「どんな点に気をつけたのか」を文章で丁寧に説明しました。
また、社長自身が「リフォームを考えるお客様がよく迷うポイント」についてコラムを書き始めました。

変化は、数ヶ月後から少しずつ現れました。

問い合わせをくれたお客様が、こんなことを言うようになったのです。

「ホームページのコラムをぜんぶ読みました。信頼できると思って連絡しました」
「事例を見て、うちと似た状況だと感じて」

以前は「価格はいくらですか」という問い合わせが多かったのが、「ぜひ相談したい」という質の高い問い合わせに変わっていきました。
社長は「売り込んでいないのに、お客様が理解して来てくれるようになった」と話していました。

これが、Webで「教育プロセス」をつくることの効果です。

では、何から始めればいいのか

「Webが大事なのはわかったけれど、何をすればいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
それは当然の感覚です。

まずは、難しく考えすぎないことが大切です。

一番の出発点は、「お客様がよく持つ疑問や不安に、丁寧に答えるコンテンツをひとつ書く」ことではないでしょうか。

たとえば、「当社のサービスを選んでよかった、と言ってもらえた理由」を文章にするだけでも、立派なコンテンツになります。
「よく聞かれる質問トップ3」を書いてみるのも、始めやすいところです。

特別な技術は必要ありません。
経営者の方が日々お客様と向き合う中で積み重ねてきた言葉や経験が、そのまま「お客様を教育するコンテンツ」になります。

「うまく書こう」と思う必要もありません。
率直で正直な言葉の方が、むしろ読む人の心に届くものです。

お客様に選ばれる会社になるために

経営者の方が懸命に取り組んできた仕事には、必ずお客様に伝えるべき価値があります。
しかしその価値は、伝えなければ伝わりません。

Webは、その「伝える場」として、これほど使い勝手の良い仕組みは、なかなかないのではないかと思います。
チラシでは難しかった「深い理解と信頼の育成」を、時間とコストをかけずに積み上げていける可能性があります。

「売り込まなくても、お客様が来てくれる」状態に近づくために、まずはできる範囲で一歩踏み出してみることが、大切な始まりになるのではないでしょうか。

あなたの会社の価値を、もっと多くの方に知ってもらうことは、きっとできます。
その手助けとして、Webという場を、ぜひ活かしていただければと思います。

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

関連記事 Relation Entry