利益も、チームも、整える。  浜松市の税理士 小林徹が、次の一手まで一緒に考えます。

プロフィール作成のポイント 自分の「本当の強み」を見つける

プロフィール作成のポイント 自分の「本当の強み」を見つける

自分の本当の強みを見つける方法

あなたの強みは、あなただけが知っているわけではない

ビジネス・プロフィールを作るとき、多くの方が「自分の強みって何だろう?」と頭を悩ませます。
謙虚な方ほど「自分には特別な強みなんてない」と感じてしまいがちです。
でも、少し視点を変えてみてください。
強みとは、「自分だけが気づくもの」ではなく、「周りの人もすでに感じているもの」かもしれないのです。

強みには、大きく二種類あります。
ひとつは「自分の目から見た強み」、もうひとつは「他人の目から見た強み」です。

自分の目から見た強みは、長年の経験や自分なりの自己評価から生まれます。
一方、他人の目から見た強みは、お客様やビジネスパートナー、知人など、外部の人があなたに感じている価値や魅力です。
この二つが重なり合う部分こそが、あなたの「本当の強み」です。

よくあるのが、「自分では当たり前だと思っていたことが、実はお客様にとって大きな価値だった」というケースです。
毎日やっていることだから気づかない。
でも、外から見ると「それがすごい」と映っている。強みの発見とは、そういう気づきの積み重ねです。

だからこそ、自分の感覚だけで強みを決めてしまわず、信頼できる第三者にも聞いてみることをおすすめします。
お客様からいただいた感謝の言葉、よく褒められること、「あなたに頼んでよかった」と言われた瞬間―そういった声を思い出してみてください。
そこに、あなたの本当の強みが隠れています。

ライバルと比べることで、強みはより鮮明になる

自分の強みを洗い出すうえで、とても効果的な方法があります。
それは、同じ分野で活動する競合相手(ライバル)と自分を比べてみることです。

これは誰かに見せるためではなく、あくまでも自分自身の整理のための作業です。
ぜひ、頭の中に浮かぶ同業者を具体的に10社(人)ほど書き出してみてください。
名前が挙げられるくらい意識している相手は、それだけあなたの仕事に近い存在です。

書き出したら、次の三つの問いに答えてみましょう。

まず、「私がもっとも強敵だと思うのは誰か」という問いです。
一番意識しているライバルを一人(一社)選んでください。
次に、「そのライバルはこれまで何を売りにしてきたか」を考えます。
価格の安さなのか、知名度なのか、実績の豊富さなのか。
そして最後に、「そのライバルのやり方が、お客様にとってどんな不便や不満を生み出しているか」を考えてみてください。

この三つ目の問いが、実はとても重要です。
ライバルの強みの裏側には、必ず「弱み」があります。
そしてその弱みを補えるのが、あなたの強みになり得るのです。

たとえば、大手がスピードを犠牲にして規模を優先しているなら、あなたの「素早い対応」は武器になります。
ライバルが画一的なサービスしか提供できないなら、あなたの「柔軟な対応力」は際立ちます。
ライバルと自分を比べるのは、卑下するためではなく、自分の輝きどころを見つけるためです。

「小さいこと」は弱みではなく、強みの源泉

「でも、うちは規模が小さいから……」と感じている方も多いかもしれません。
しかし、小さいことは決して不利ではありません。
むしろ、それ自体が大きな価値になります。

個人事業や少人数の事業者には、大企業には真似できない武器があります。
動きの速さ、お客様との距離の近さ、柔軟な対応、個別の細やかな気配り。
大企業は組織の仕組みが整っている分、一人ひとりのお客様への対応が画一的になりがちです。
しかし、あなたなら、お客様の状況に合わせてその場で判断し、動くことができる。
この「小回りの良さ」は、経営規模に関係なく、多くのお客様が求めている価値です。

また、「まだ起業して間もない」「実績が少ない」という方もいるでしょう。
そういった場合は、視点をこう変えてみてください。
経験が浅いということは、「お客様の感覚に近い」ということでもあります。
業界の常識に染まっていないからこそ、お客様の素直な疑問や不安に寄り添えることがある。
「一緒に成長していける」という誠実さや、新しいことへの挑戦心は、長いキャリアを持つベテランにはない魅力です。

事例:地方の小さな工務店が「ライバル比較」で見つけた強み

栃木県のある工務店の話をご紹介します。
創業して6年ほどの、社員5名の小さな会社です。
地域には大手ハウスメーカーの営業所もあり、なかなか集客に苦労していました。

ある時、このコラムで紹介しているような「ライバル比較」の作業を試みました。
大手ハウスメーカーを仮想のライバルとして設定し、三つの問いに答えていったのです。

「ライバルは、これまで何を売りにしてきたか」→ ブランド力と全国展開の安心感。
「そのためライバルは、顧客にどんなデメリットを与えてきたか」→ 担当者が頻繁に変わる、要望を伝えても「仕様の都合上」と断られることがある、完成まで現場に入れない。

この整理を通じて、この工務店が持つ強みが浮かび上がってきました。
「社長自身が現場に毎日入り、直接お客様と話す」「要望は基本的にすべて聞く」「家が完成するまで、同じ担当者がずっと対応する」。
これらは、小さな会社だからこそできることでした。

この工務店はその後、「あなたの家づくりに、ずっと寄り添います」というコンセプトをビジネス・プロフィールの核に据え、ホームページや名刺、営業資料を統一しました。
すると、紹介からの問い合わせが増え、成約率も以前より上がっていきました。
大手には勝てないと思っていたことが、実は強みの宝庫だったのです。

まとめ:強みは「見つけるもの」ではなく、「気づくもの」

自分の強みを見つけることは、難しいことのように感じるかもしれません。
でも実際は、強みはすでにあなたの中にあります。
日々の仕事の中で、当たり前にやっていること。
お客様から喜ばれていること。
ライバルが苦手としていること。
そのひとつひとつの中に、あなたならではの価値が眠っています。

ビジネス・プロフィールとは、「私はこういう人間です」と伝えるためのものです。
それは飾り立てた自己紹介ではなく、あなたの本当の姿を、相手に伝わる言葉で表現することです。

自分の強みを正直に、丁寧に言語化することが、あなたとお客様の信頼関係の出発点になります。
ぜひ、今日からライバルとの比較や、周りの人への聞き取りを始めてみてください。
きっと、「自分にはこんな強みがあったのか」という、嬉しい発見が待っています。

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